• 【第11課 鼻母音(上)】
  • 前言
  • a系列
  • 注意点①
  • 注意点②
  • 練習問題


 中国語の韻母には-n、-ng で終わるものがあります。 これらを主母音 4 によって3つに分類します。



主母音については、第 5 課「音節の構造」参照。

 [a]を主母音に持つ音のグループを「a 系列」とします。以下の 7 音あります。

an

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解説

(解説)

・ [a]を発音した後、舌先上の前歯の裏の歯茎に押し付けて[n]。
・舌先が着くと、音の響きが止まるので、次の[ang]に比べて音は短め

(ヒント)

 「案内」の「あん」の要領。

ang

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解説

(解説)

 [a]を発音した後、舌根軟口蓋に当てる。舌先はどこにも着けない。

(ヒント)

・[a]→[ng]のように、2音節の積りで発音すると鼻音[ng]が出やすい。
・最初に口を縦に開けたら、口は終始大きく開けたまま。鼻音[ng]が消えてから口を閉じる。
・このため[an]に比べて音は長め
・「案外」の「あん」の要領。

ian (yan)

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解説

(解説)

 [i]→[an]と続ける。

(ヒント)

・[a]は [i] と[n](共に舌が前方に来る音)に挟まれて、口が縦に開き切らないために音色が変化
・前に子音が来ない時(声母がゼロの時)は yan と綴る(「音節表」参照)。

iang (yang)

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解説

(解説)

 [i]→[ang]と続ける。

(ヒント)

・[i]で始まり[ng]で終わる音は、[ng]を発音するために舌が奥へ行くため、頭の[i]は短くなり、一瞬の摩擦音のようになる。
・前に子音が来ない時(声母がゼロの時)は yang と綴る(「音節表」参照)。

uan (wan)

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解説

(解説)

 [u]→[an]と続ける。
 

(ヒント)

 前に子音が来ない時(声母がゼロの時)は wan と綴る。この時の[u]はやや子音的。

uang (wang)

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解説

(解説)

 [u]→[ang]と続ける。

(ヒント)

 前に子音が来ない時(声母がゼロの時)は wang と綴る。この時の[u]はやや子音的。

üan (yuan)

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解説

(解説)

 [ü]→[an]と続ける。

(ヒント)

・ここの[a]は[ian]と同じように、音色が変化するが、単母音[a]のように発音されることも少なくない。
・これは、対立する[uang]という音がないことから、[ian]と[iang]のように厳密に区別する必要がなく、音の許容幅が広いためである。
・前に子音が来ない時(声母がゼロの時)は yuan と綴る。

①  [-n] [-ng]の見分け方のヒント


 漢字を日本語で音読してみましょう。
[-n]の場合、 ほぼ例外なく 5 「ン」で終わります。 例)飯 fàn-ハン
[-ng]の場合は「イ」か「ウ」で終わります。 例)明 míng-メイ、放 fàng-ホウ

「行灯」(アンドン)の「灯」(dēng)など、まれに方言を反映すると思われる例外もある。

②  [huan][huang]の中の[u]の音色変化


第7課「舌根音」の「注意点②」を参照して下さい(「音節表」も参照)。












☆発展語彙