1、 声調の変化
以下のような声調の変化が起こる場合、声調符号は変化した声調で表記するのが基本。 但し、1)の第3声の変調の場合のみ声調符号は元のままである。
1)第3声が連続する際の変調
nǐ hǎoまた、後ろに続く音が軽声化している場合も元の声調に従って変調が起こる。
你 好
このように第3声が連続する際には、発音の便から、前の音が第2声に変調する。
nǎ li
哪 里 …里(裏)はもともと[lǐ](第3声)
2)数詞[一]の声調変化
以下に示すように、第4声の前では第二声に、それ以外では第4声に変調する。
後ろが第一声:一千(qiān)… yì
第二声:一年(nián)… 〃
第三声:一百(bǎi) … 〃
第四声:一万(wàn) … yí
また、後ろに続く音が軽声化している場合も元の声調に従って変調が起こる。
yí geしかし、[一]が序数として使われれる時には変調しない。
一 个 …个(個)はもともと[ɡè](第4声)
一月 yī yuè ⇔ 一个月 yí ge yuè
3)否定の副詞[不]の声調変化
[不](bù)は後ろに第4声が来ると、第2声に変調する。
[不](bù)+ [对](duì)→ 不对[bú duì]
2、儿化
音節の末尾で舌をそり上げる。北京語に特徴的な現象であるが、「普通話」にも一定程度入っている。
多くの場合、儿化の有無で単語の意味に大きな変化は発生しないが、儿化によって起こる変化には、主に以下のものがある。
①可愛いらしい感じが加わる。
小猫 xiǎo māo → 小猫儿 xiǎo māor(こねこちゃん)
花 huā → 花儿 huār(おはな)
顺 shùn → 顺儿 shùnr(順ちゃん)
*動物や人間の子供などに「小さくて愛らしい」という気持ちを込める場合が多い。
②音色が変わる。
・[n]で終わる音の場合、[n]を飛ばして発音:顺 shùn → 顺儿 shùnr
・[i]で終わる音の場合、[i]を飛ばして発音:小孩 xiǎohái → 小孩儿 xiǎoháir
・[ng]で終わる音の場合、鼻音化して発音:有空 yǒu kòng→ 有空儿 yǒu kòngr
③品詞が変わる。
盖 gài (v) 、 盖儿 gàir (n) … 盖盖儿 gài gàir(ふたをする)
画 huà(v) 、 画儿 huàr(n) … 画画儿 huà huàr(絵を描く)
3、軽声
①軽声化によって語感が軽くなるなどの変化はあるが、多くは意味に大きな変化はない。
早上好!zǎoshàng hǎo → zǎoshang hǎo
②3音節の単語などにおいてリズムをとる。
对得起 duì de qǐ (補語「得」肯定形) ⇔ 对不起 duì bu qǐ (補語「得」否定形)
③意味の変化が起こる。
地方 dìfāng(地域としての地方) → dìfang(中央に対する地方)
东西 dōngxī(東と西) → dōngxi(しなもの)